2014年10月21日星期二
「バナナ彫刻」のリアルな顔で脱力の輪
「バナナ彫刻」のリアルな顔で脱力の輪
■少し熟したものを使用
写真は今年の干支(えと)にちなんで彫った「馬」だ。どういう道具で彫ったかというと、わが家の台所にあった平たいスプーンと先端を薄く削った爪ようじ、以上である。デザインナイフなどを使うのもいいが、手近にあるありきたりな道具だけでやった方が面白いと僕は考えている。
バナナは青いものよりも、少し熟して皮の表面に「シュガースポット」と呼ばれる斑が出てきたものが適している。実が堅いより、柔らかくなってきたほうが彫りやすいからだ。実を支えるために一筋だけむき残し、それから彫り始める。
制作中の筆者(山田恵輔さん)
まず全体の輪郭を作る。スプーンをさくさく入れて実を大きく削り取る。削った実はもちろん捨てたりしない。食べる。削っては食べ、削っては食べを繰り返すので、申し訳ないが作品は汚い。そこのところは忘れて見ていただきたい。
大体の形を整えたら、細部に入る。爪ようじを使って、ミリ単位で線を刻んでいく。そうこうしているうちにバナナが茶色くなってくる。そこではけでレモン汁を塗る。こうすると変色を遅らせられるのである。
バナナの実をあまり深く削ることはできない。バナナを輪切りにしたときの中心部分(もともとはここに種があったらしい)はゼリー状になっていて、彫刻には適さない。表面から1センチメートルちょっとのところまででどんな形が作れるかが勝負なのである。
作品によって制作時間は1時間から3時間ぐらい。下絵は描けないので、失敗の連続だ。僕が作品をネットで発表し始めたのは2012年だが、お見せできているのは30作品ほど。でもその背後には、バナナの木何本分かの失敗がある。
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